講演会 最期の俊寛を想う
ー 阿久根脇本・出水野田の俊寛伝説と遺跡をめぐって ー
いずみ郷土研究会 定期総会後の 講演会
日 時 平成27年5月13日(水)
14時50分~16時20分
会 場 高尾野公民館研修室(二階)
講 師 当会員 梶原 宣俊
概 要
俊寛は平安時代後期の真言宗の僧で、僧位の「僧都」を冠して
俊寛僧都と呼ばれていた。
「平家物語」によれば、後白河法皇の側近で法勝寺執行の 地位
にあったが、平氏打倒の陰謀に加わって密談が行われた。
だが、密告により陰謀は露見し、俊寛は藤原成経・平康頼と共に
鬼界島(鹿児島県三島村)に配流された。
三人は望郷の日々を過ごしていたが、一年後に恩赦が行われ、
成経と康頼のみ赦され、俊寛は謀議の張本人という理由から許さ
れず、島に一人残され、絶望と悲嘆に暮れる。
翌年、俊寛の侍童だった有王が島を訪れ再会するが、娘の手紙で
家族はみな死に絶えたと判り自害する。有王は島より俊寛の遺骨
を京へ持ち帰ったということになっている。
梶原氏は阿久根市脇本と出水市野田に俊寛に関する貴重な史跡、
伝説、記念碑などが保存されていることを知り、詳しく調査研究
して、俊寛が有王と共に鬼界島を脱出して、出水で亡くなった可
能性を想像し、小説「最期の俊寛」を執筆。(会誌25号に掲載)
謡曲詩吟
講話後、喜多流「鬼界島」の詩吟があり会員一同堪能する。